Winter NAMM 2009で気になったもの

http://www.namm.org/

1月15〜18日にかけて、アナハイムでNAMMという音響、音楽関係の機器展がありました。いくつか興味深い製品、機能の発表があったのでピックアップ。

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Symbolic Sound Pacarana
http://www.symbolicsound.com/cgi-bin/bin/view/Products/Pacarana

以前はCapybaraとよばれていた、DSPのボードを大量にのせた黒い巨大な箱と、それをコントローするソフトウェアKymaの組み合わせで動いた、音響合成のためのシステム。コントロールソフトは、Max/MSPみたいにオブジェクトを配置してパッチコードでつないでいくことで機能を実現てきる。確かに処理能力はすごいし、音もよさそうなんだけど、値段が半端なくて個人ではなかなか手が出せるものではなかった。今回も値段的にはそんなに劇的に下がったわけではないけど、黒い箱のサイズがコンパクトになったのと、処理能力が格段に上がったあたりは、ようやくいまの時代のスペックに追いついたか、という印象。いじってみたいけど、買えないよなぁ。こういう時、大学とかでさくっと買ってくれるとうれしいんだけど。

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Ableton Live 8/Max for Live
http://www.ableton.com/pages/live_8/announcement/home
http://www.ableton.com/extend

Live 8は色々とよくなってはいるみたいだけど、気になるのはむしろMax for Liveの方。Liveの中にMax/MSPが組み込まれていて、音源、シーケンサ、エフェクトなどの機能をMaxのパッチで作ってLiveの中に組み込めるというもの。Live 8の発表後、今年の後半にリリース、というようなことなんだけど、LiveとMax/MSP両方のユーザーとしては楽しみ。

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iZotope Ozone 4
http://www.izotope.com/products/audio/ozone/
http://www.m-audio.com/index.php?do=products.main&ID=bdc2c4e15f3beef847aea204e25670dd

マスタリング用プラグインOzone 4が発表されている。個人的には、音によって自動的にcrossoverの周波数をコントロールするIntelligent Crossover、そして中央と左右両端の処理を別々にできるmid/side processingあたりがかなりよさそう。こんな贅沢なプラグインをiTunesと組み合わせて使っているわけだけど、iZotopeのサイトを見ると、

http://www.izotope.com/products/audio/media/ozone.html

という製品も存在している。これがiTunes用にリリースされればベストなんだけどなぁ。

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Jazzmutant Lemur v2.0
http://www.jazzmutant.com/news.php

OSCプロトコルを出力するマルチタッチコントロールでバイス、Lemurのfirmwareが2.0になった。utp_の際に使っていていまいちだなぁ、と思っていったところはかなりよくなっているっぽいけど、今回の発表の注目点はそこではない。60日間限定ではあるけど、1/15〜3/15までの間、価格が1,769ユーロにディスカウントされて販売されるという。いままで国内では50万円近くで売っていたわけだけど、これが20万円ほどで購入できるわけだ。ようやくものの実態と価格がバランスとれたような印象。早速お世話になったe-frontierの担当者にメールしてみたいところ、国内販売価格もこの60日間限定価格が反映されるとのこと。いずれ発表があるみたいなので、これを待ちたい。

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Alesis ProTrack、iMultiMix 16 USB
http://www.alesis.com/protrack
http://www.alesis.com/imultimix16usb

最近のAlesisはiPodを組み込んで使うためのデバイスが多いね。今回も、iPodをリニアPCMレコーダにするProTrack、ミキサーに組み込んでレコーダとして使えるiMultiMix 16 USBを発表している。どちらも興味深いんだけど、16bit/44.1KHzでしか利用できないのがちょっとおしいかなぁ。

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MOTU Volta
http://www.motu.com/marketing/motu_products/software/volta/volta-press-release.pdf/view?searchterm=volta
http://createdigitalmusic.com/2009/01/16/analog-meet-digital-motu-volta-connects-the-mac-to-cv-synths-effects-graphically/

まだmotuのサイトにちゃんとした情報が出ていないみたいだけど、オーディオインターフェイスのアナログ出力からCV/Gateの信号を出してMIDIなどに対応していないアナログシンセをコントロールしてしまおう、というAudioUnitのプラグイン。これはやられた、と思った。オーディオ出力をCV/Gate出力用にそのまま使ってしまうとは。通常のMIDI/CV-gate変換デバイスよりも解像度が高くできると思うので、細かいコントロールとかできてよさそう。まあ、うちにあるCV/Gateなシンセといえば、MC-202とTB-303くらいしかないんだけどね...。

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Universal Audio UAD-2 Solo/Laptop
http://www.uaudio.com/webzine/2009/january/universe.html
http://createdigitalmusic.com/2009/01/20/universal-audio-uad-2-solo-will-add-dsp-power-to-your-laptop-for-499/

MacBook Proを使っていると、ほとんどの場合ExpressCardスロットは何も入れず、無駄なスロットになっていることがある。僕もそうだけど...。モデムはUSB出し、カードリーダーもUSBだし、オーディオインターフェイスはFireWireだし。その無駄になっているスロットにDSPのカードをさしてプラグインの信号処理を処理してしまおうという商品。価格もリーズナブルだし、CPUも軽くなるのでちょっといいかも。欲を言えば、スロットからはみ出さない形状にまとめてくれればもっとよかったんだけどなぁ...。

という感じで、またしても色々と物欲がふつふつと...。

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