2009年9月アーカイブ

how2RjDj 2

引き続き、RjDj Sprint Tokyoの際に得たノウハウの備忘録を。そういえば、先日RjDjがアップデートされていたな。

今回は、シーンをiPhoneに転送する際のもう一つの方法を。RjDj Composers Packに付属するrjzserverを使って実機に転送してみる。RjDj Sprint Tokyoの際には一人でこの方法を使って実機転送しまくっていた。というのも、いちいち rjdj.me のWEBサービスにアップする作業が手順が多くてちょっと面倒だったのと、他人のディスクスペースを公開しないjunkなシーンで埋めることに少々抵抗があったから。おそらく、自分のWAVファイルとかをシーンに組み込んだりしてサイズが大きくなったものは、rjdj.me にアップするよりもrjzserverを使ってローカルで転送した方がアップロード、ダウンロードの時間も節約できるだろう。

今回もMac OS Xをベースに進めていくが、基本的には同じことをwindowsでも実現できるはず。ホスト側のMacと実機のiPhone/iPod touchは同じLANに接続されている方が望ましい。これは、rjzserverはiPhone/iPod touchからみた場合WEBのproxyサーバーとして機能するため。

ちなみに、先日多摩美でレクチャーをしていただいた際にFrank氏本人から聞いた話によると、次期RjDjではファイル転送のための機能を内蔵するため、rjzserverは必要なくなるだろう、とのこと。なので、この手順はいずれ不要になるはず。


1. 実機に転送するシーンを用意する

how2RjDj 1(http://blog.yasaka.com/archives/2009/09/how2rjdj-1.html)の「5. image.jpgとinfo.plist」までで行ったことと同じ。実は、rjzserverを使う場合は .rjz 形式にしなくても rjzserver 側ですべて圧縮、拡張子の変更といった処理を自動的にしてくれる。なので、シーンを作ったら、すぐに rjzserver にアクセスすればiPhone/iPod touchに転送して動作確認できる。これはシーン制作の際には非常に便利。


2. Mac側とiPhone/iPod touchのネットワークを確認

Mac本体とiPhone/iPod touchが同じネットワークに接続されていることを確認する。Mac側であれば、システム環境設定の中のネットワークという項目の中にある「状況」というところにIPアドレスが表示されている。

pd2-1.pngpd2-2.png

iPhone/iPod touch側は、「設定」の中の「Wi-Fi」の中の接続されている無線LANアクセスポイントの名称の矢印をtapするとIPアドレスなどが表示される。

IMG_0253.PNGIMG_0254.PNG

両方とも無線LANで接続されているのであれば、同じアクセスポイントに接続されていることが確認できればOK。そうでない場合は、同じサブネット内にいることが確認できればOK。


3. rjzserverを起動

続いて、Mac側で rjzserver を起動する。Macの場合、RjDj Composer Packのフォルダ内にアプリケーション形式で用意されている。WindowsやLinuxでは、rjzserverというフォルダの中にある rjzserver.py というファイルを python で実行することで起動される。

pd2-3.png

※ここで注意。2009/09/17現在、RjDjComposerPack_mac.zipに含まれているrjzserverのアプリは10.6、つまりSnow Leopardでは動作しない。どうも、使用しているライブラリの依存関係が崩れてしまっているようだ。10.5(Leopard)では問題なく動作している。Snow Leopardでは rjzserver をアプリケーション形式にビルドし直す必要がある。この手順は最後に示す。

rjzserverを起動すると以下のようなウィンドウが表示される。

pd2-5.png

続いて、「File」メニューから「Set scene directory」を選び、rjzファイルが置いてあるフォルダを指定する。

pd2-6.png

今回の場合は、「RjDjComposerPack_mac」直下に置いてあるので、このフォルダを指定する。

pd2-7.png

すると、ウィンドウに「Set .rj scenes directory to /Users/yasaka/Desktop/RjDjComposerPack_mac」と表示され、設定ができたことが確認できる。

pd2-8.png

確認ができたら、rjzserverのウィンドウ内に表示されていた「Listening on」のところに表示されているURLをコピーし、Mac側のWEBブラウザにペースとして表示できるか確認する。僕の手元では、「http://192.168.0.104:8314/」となっていた。

pd2-8.1.png

このURLにブラウザでアクセスし、以下のような画面が表示されればrjzserver側の準備は完了。

pd2-9.png


4. iPhone/iPod touch側のネットワークの設定

iPhone/iPod touch側に rjzserver をプロキシサーバーとしてアクセスするよう設定する。先ほどとiPhone/iPod touchのIPアドレスを確認したときと同様、「設定」の中の「Wi-Fi」の中の接続されている無線LANアクセスポイントの名称の矢印をtapする。IPアドレスなどが表示されるが、画面を下にスクロールしていくとHTTPプロキシという項目がある。

IMG_0266.PNG

初期状態では「オフ」になっていると思うので、まずは「手動」を選択する。すると、「サーバ」、「ポート」、「認証」といった項目が表示される。

IMG_0268.PNG

ここに、rjzserver の動いているMacのIPアドレス、そしてrjzserverが利用しているポート番号を入力する。先ほどrjzserverを起動した際に表示されていた「Listening on」のあとに表示されていたURL部分からIPアドレスとポート番号を取り出す。手元では、「http://192.168.0.104:8314/」となっているが、このうち「192.168.0.104」の部分がIPアドレスで、「:」のあとに続く「8314」という部分がポート番号を表している。

情報が用意できたら、HTTPプロキシとして設定する。「サーバ」の項目にIPアドレスを、そして「ポート」の項目にはポート番号を入力する。

IMG_0256.PNG

入力ができたらホームボタンでSpringBoardに戻る。

HTTPプロキシの設定がうまくいっているか確認するためにSafariを起動する。起動したら、URLの部分に「http://rjdj.me/」と入力する。

IMG_0257.PNG

入力ができたら、「Go」ボタンをtapする。以下のような画面が表示されれば、rjzserver との接続設定は完了。

IMG_0259.PNG


5. iPhone/iPod touchから rjzserver にアクセス

rjzserverで指定したディレクトリにシーンのフォルダが配置されていることを確認したあとに、先ほどiPhone/iPod touchのSafariで開いたURLを再度開く。接続できるとこのような画面が表示される。

IMG_0269.PNG

フォルダのまま、つまり、「test1.rj」として置いてあるはずのシーンが、Safari内では「Install test1.rjz」と、 .rjz 形式で表示されていることがわかる。このリンクをtapすると、RjDjが起動し、シーンファイルがインストールされる。

このように、毎回修正するたびに .rjz 形式のファイルを作成する必要がなく、また rjdj.me のWEBサービスにアップする手続きも不要であるため、頻繁に修正、インストールを繰り返す際には非常に便利。

ちなみに、作業が終わったあと、iPhone/iPod touchのネットワーク設定に再度アクセスし、HTTPプロキシを「オフ」にすることをお忘れなく。HTTPプロキシを有効のままだと他の作業ができないので注意していただきたい。

お試しあれ。


おまけ. Snow Leopardで rjzserver をビルドする

冒頭にも説明したように、RjDj Composers Packに含まれているrjzserver.appはLeopard用にビルドされたもので、Snow Leopardでは動作しない。動かそうとすると、こんな画面が表示される。

pd2-10.png

エラーを見る限りでは、ライブラリ周りの整合性の問題のように見えたので、rjzserver をリビルドする。


1. build-mac.sh を修正

RjDj Composers Pack内の rjzserver というフォルダの中に「build-mac.sh」というシェルスクリプトがある。これをそのまま実行しようとすると最後の方に rjdj.me へ出来上がったアプリをアップロードする部分まで含まれているので、その部分を削る。

まず、テキストエディタで「build-mac.sh」を開く。くれぐれも、「build-mac.sh」をダブルクリックしないように。Mac OS Xに標準のテキストエディットでも開けるはず。以下のようなウィンドウが開く。

pd2-11.png

この内容を、以下のように修正する。

pd2-12.png

つまり、最終的には

#!/bin/sh
svn -r447 co http://svn.makotemplates.org/mako/trunk/lib/mako
/System/Library/Frameworks/Python.framework/Versions/2.5/Extras/bin/py2applet -i mako.cache rjzserver.py media/

の3行以外は削除することになる。削除できたら保存する。


2. build-mac.shをターミナルから実行

続いて、「アプリケーション」内の「ユーティリティ」フォルダ内にある「ターミナル」というアプリケーションを起動する。

pd2-13.png

ウィンドウが開いたら、「cd」コマンドで、RjDj Composers Pack内の rjzserver フォルダへ移動する。手元の場合はデスクトップ上にRjDj Composers Packを置いてあるので、

cd ~/Desktop/RjDjComposerPack_mac/rjzserver

という記述になる。ちなみに、この時点で「cd コマンドってなに?」という方は、これ以降続けない方がいいかも...。

移動したら、「ls」コマンドで先ほど修正した「build-mac.sh」ファイルがあるのを確認する。

pd2-14.png

確認できたら、

sh ./build-mac.sh

と実行する。すると、以下のようにいろんなメッセージが表示される。

pd2-15.png

色々と表示されたあとに、最後にこんな感じで再びプロンプトが表示される。

pd2-16.png

Finderでrjzserverフォルダの中を確認し、rjzserverアプリが存在していればビルドは完了。

pd2-17.png

あとは、上記のように起動して設定すれば同じように利用できるはず。ちなみに、ビルドは32bitモードでしか確認していないので、64bitモードでどのようになるかは確認できていないのでご注意を。

how2RjDj 1

http://tokyomax.jp/rjdj/
http://rjdjtokyo.tumblr.com/

数日たちましたが、芸大の芸術情報センターで行われた、RjDj Sprint Tokyoにいってきた。初日だけだけど。二日目の内容が気になるところではあるけど、とりあえず初日で一通り自分でRjDjのシーンを作るための手順などは説明されていたので、備忘録的な意味で自分でまとめてみた。


1. 環境構築

自分の環境はMac OS Xなので、すべてMacベースで話を進めていく。同じものがWindows用にも用意されているので、ほぼ同じような手順で進められるとは思うけど。あと、PureData自体についての説明は省略するので、他のサイトなどで確認を。

まずは以下のものを用意します。

・Pd-extended (http://puredata.info/downloads)
RjDjのエンジン部分でもあるPureData本体をダウンロードする。RjDjのサイトでは、vanilla版を使うように、という説明が書かれていますが、iPhoneのタッチパッドのシミュレーションや描画のシミュレーションなど一部でgemなどを使ったりすることがあるので、extendedの方がよさそう。

・RjDj Composers Pack(http://more.rjdj.me/~fbar/cop/)
RjDjComposerPack_mac.zip というファイルをダウンロードする。ただし、2009/09/13現在の時点で一部足りないファイルがあるので、 pd-missing.zip もダウンロードする。いずれは一つのファイルにまとめられるはず。

ダウンロードできたら、まず、Pd-extendedをインストール。dmgファイルをダブルクリックすると、ライセンス確認の画面がでてくるのでOKをクリックし、チェックサムの確認が終わったあとに以下のようなウィンドウが表示される。このうち、Pd-extendedのアイコンをApplicationフォルダのアイコンにドラッグ&ドロップしてコピーします。これで完了。当然、デスクトップにマウントされているディスクイメージは取り出しておく。

pd1.png

続いて、RjDj Composers Packを解凍。pd-missing.zipの方も解凍。それぞれ、出来上がったフォルダをみるとこんな感じ。

pd1.1.pngpd1.2.png

このうち、pd-missing.zipを解凍して出来上がったpdフォルダの中身すべてを、RjDjComposerPack_macフォルダの中のpdフォルダの中にコピー。最終的には、RjDjComposerPack_macフォルダの中のpdフォルダはこんな感じに。

pd1.4.png

ここまで用意ができたら、次はPdの方の環境設定。先ほどApplicationフォルダにコピーしたPd-extendedを起動する。起動すると、こんな画面が表示されるはず。

pd2.png

続いて、Pd-extendedメニューからPreferencesを選んで、さらにその中のPathを選択する。

pd3.png

PD search path for patches and other filesというウィンドウが表示される。

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表示されたら、Newボタンをクリックする。Add a new pathというファイル選択画面が表示されるので、先ほど解凍したRjDj Composers Packの中のpdフォルダを選択してChooseボタンをクリックする。

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すると、選択したフォルダの場所が新たにPD search path for patches and other files画面の中に追加される。これは、RjDj関連のファイルをPd-extendedから参照できるようにするために登録している。

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あとは、Applyをクリックして、OKボタンをクリックしてウィンドウを閉じる。

設定が正しいか確認するために、RjDj Composers Packの中のexample_scenesの中のHelloWorldWorldWorld.rjフォルダ内にある _main.pd というファイルを開く。以下のように、soundinputとsoundoutputのところに緑のvolumeスライダーが表示されていれば正しく設定されている。

pd7.png

確認ができたら、いま開いた _main.pd を閉じる。以上で環境設定が完了。


2. テンプレートを複製する

RjDj Composers Packには、シーン制作のための基本ファイルセットをまとめたテンプレートが用意されている。SceneTemplate.rj というフォルダがそれだ。シーンを作る際にはこのテンプレートを複製することから始めることになる。Scene Template.rj を選択して、ファイルメニューから複製を選ぶ。

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複製されたフォルダの名称を変更する。ここでは、test1.rj というフォルダ名に変更する。必ず、フォルダ名のあとに .rj をつけるように。あと、日本語文字は使わず、半角の英数字のみで名称を付けるようにした方が安全かも。

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テンプレートとして用意されているファイルの中身は以下のとおり。

・_main.pd
シーン作成するファイル。RjDjに転送された際、このファイルが自動的に読み込まれて実行される。この中に、音響処理部分を記述することになる。ファイル名を変更すると読み込まれないので注意すること。

・image.jpg
RjDjに読み込まれた際に表示されるイメージファイル。320x320のサイズのものであれば問題ないので自分の好きなものに置き換えることが可能だが、ファイル名は必ずimage.jpgとしておくこと。

・info.plist
XMLで記述された、シーンの基本情報。author(制作者名)、description(シーンの概要)、name(シーンの名称)、そしてcategoryを記述するようになっているが、現在のところcategoryは使われていないらしい。Mac OS Xだとこのinfo.plistをダブルクリックするとProperty List Editorというアプリケーションが起動されるので、この中でそれぞれの項目を編集することになる。Mac OS X以外の環境では、テキストエディタでこのファイルを読み込み、該当する箇所を編集することになる。これもファイル名は変更しないこと。

pd10.png

・LICENSE.txt
シーンのライセンス形態を説明しているファイル。どうやらGPLが採用されているようだ。GPL以外のライセンスで公開したい時にどうするのかは実は確認できていないので、機会があれば聞いてみたい。

・rj
フォルダの中に様々なPdのアブストラクトファイルが含まれている。これは、RjDjチームが用意しているライブラリで、シーン制作を非常に容易にしてくれている。このライブラリはかなりよくできているので、シーン制作以外の時にもかなり有益なものになるはず。

pd11.png


3. _main.pdを開く

先ほど作成したtest1.rjの中の_main.pd をPd-extendedで開く。以下のような画面が表示される。

pd12.png

soundinput と soundoutput があるので、その間に音響処理のための部分を構築すれば、iPhone上のRjDjに読み込まれた際に、マイクからの音(soundinput)を処理してそのままイヤホン(soundoutput)に結果を出力する、というシーンが作れるわけだ。

右側にいくつかボタンがあるが、declareで始まっているものは、_main.pd と同じ階層にあるファイルと、rjフォルダの中にあるファイルを参照するために必要なものなので削除しないように。pd LICENSEは、クリックすると作成したシーンがGPLライセンスベースであることを説明するウィンドウが表示される。これも基本的にはそのまま残しておく。

一番下にあるOVERVIEW というボタンをクリックすると、以下のようなウィンドウが表示される。

pd13.png

これは、テンプレート内に用意されていたrjフォルダ以下にあるライブラリの機能を説明している。例えば、effectsのeをクリックするとRjDjライブラリで用意されている様々な音響効果のアブストラクトが表示され、それぞれ簡単な説明がついている。

pd14.png

effectsの中の e_fbdelay というアブストラクトオブジェクトをクリックすると、その中の構造が表示される。

pd15.png

これだけではどのように使っていいかわからないので、いったん e_fbdelay.pd の画面を閉じて、今度はcontrolキーを押しながら e_fbdelay というオブジェクトをクリックしてみる。マウスボタンが2つある場合は、右クリックするとでてくると思う。すると、Properties、Open、Helpという項目からなるポップアップメニューが表示される。

pd16.png

この中のHelpを選ぶと、そのe_fbdelayのヘルプウィンドウが表示される。ここには、それぞれの入出力がどういう役割を持っているか、そしてその横にサンプルのパッチが用意されている。

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このように、RjDjで用意されているライブラリにはすべてヘルプファイルが用意されているので、そのオブジェクトをどう使うかわからない場合は、まずはそれぞれのヘルプファイルを参照するといいだろう。


4. _main.pd を編集

実際に何らかの音響処理をするシーンをまずは用意してみよう。先ほど、RjDjライブラリの中から参照した、e_fbdelayというフィードバックディレイの効果をつけてくれるオブジェクトを使ってみる。iPhoneのマイクから入力されたサウンドソースを、左右それぞれ違うディレイタイムを設定して、ディレイ音が左右からパラパラと出てくるようなものを考えてみた。以下のような感じでパッチを用意してみる。

pd17.3.png

e_fbdelayは二つの引数を指定する。一つはディレイバッファの識別名称。もう一つは、最大のディレイタイムで単位はミリ秒。今回の場合、同じディレイバッファを違うディレイタイムで処理すればいいので、識別名称は同様のものを用意している。最大ディレイタイムは左右で違うディレイタイムを設定できるよう変えてある。

実際のディレイタイムの指定は、e_fbdelayオブジェクトの2番目のインレットにシグナル形式で値を渡す。そのため、ナンバーボックスのあとに sig~ が用意されている。ヘルプファイルを参照すればわかるが、それ以外のパラメータについては3番目のインレットに送ることで設定できる。ここでは、feedbackを0.3という値に設定。さらに、feedbackしすぎてハウリングを起こす傾向にあるので、最終的な出力をしぼってあげるために 0.1 をシグナルにかけることにした。

pd17.4.png

なお、ディレイタイムなどそれぞれの値はloadbangオブジェクトで起動時に設定されるようにしておかなければならない。iPhone上のRjDj内では基本的にはいま見えているオブジェクトやナンバーボックスなどは表示されないので。後ほど説明する加速度センサーやタッチパネルの情報を使って値を変更することはできるが、それ以外は基本的にボリュームスライダしかないので注意が必要。

調整ができたら_main.pdを保存して閉じる。


5. image.jpgとinfo.plist

_main.pdが用意できたら、続いてはimage.jpgとinfo.plistを編集する。image.jpgの方は、特に何もなければデフォルトのRjDjのイメージがそのまま利用されるが、なにか他の画像に差し替える場合は320x320のJPEG形式で画像ファイルを用意し、ファイル名をimage.jpgに修正して既存のものと差し替えることになる。

info.plistの方は、author、description、nameをそれぞれ編集する。手元では以下のようにしてみた。

pd18.png


6. rjz形式のファイルを用意する

実際にRjDjに転送してシーンとして利用するには、編集したtest1.rjフォルダをrjz形式に変更する必要がある。rjz形式というのは、.rjフォルダをzipでアーカイブした形式をさす。なので、Mac OS Xの場合は、test1.rjフォルダをコントロール+クリック、あるいは右クリックして「"test1.rj"を圧縮」という項目を選ぶことでzip形式にアーカイブできる。

pd19.png

出来上がったアーカイブはそのままだと「test1.rj.zip」というようになっているので、Finderで最後の .rj.zip の部分を .rjzに変更する。と、やりたいところなのだが、このままだとちゃんと拡張子がrjzとなっていない可能性が大きいので、次のようにして.rjzとなるよう変更する。

test1.rj.zipをコントロール+クリック、あるいは右クリックして「情報をみる」を選ぶ。

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「"test1.rj.zip"の情報」というウィンドウの中の「名前と拡張子」という項目を開く。「拡張子を隠す」という項目にチェックがついていたらこれを外し、ファイル名のところを「test1.rjz」となるよう修正してウィンドウを閉じる。これで問題なく .rjz 形式のファイルが用意できる。

pd21.png


7. rjzファイルをiPhone上のRjDjに転送

あとは、iPhone上のRjDjにrjz形式のシーンファイルを転送して実際に動くかどうか試す、ということになる。RjDjでは、シーンファイルを転送するための方法が二つある。一つは、rjdj.me で用意されているWEBサービスを使う、というもの。もう一つは、RjDj Composers Packに付属のrjzserverというproxyサーバーを利用する方法。

ここでは、rjdj.meで用意されているWEBサービスを利用する方法について紹介する。

http://rjdj.me/sharescene/ にアクセスしてアカウントを作成する
すでにrjdj.meにアカウントがある場合は飛ばしていいが、ない場合はまずはアカウントを作る。URLにアクセスすると、画面の右上の方に「signup」というリンクが用意されているので、これをクリックする。

pd22.png

すると、アカウント作成のための画面が表示されるので、「desired username」には希望するユーザー名を入力し、あとはメールアドレスとパスワードを入力する。なお、日本語が考慮されていないシステムであるため、各項目は必ず半角英数字で入力するように。

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入力できたら、「get inside」ボタンをクリックする。うまくアカウントが作成されると「Welcome! You are now logged into RjDj.」というメッセージとともにこんな画面が表示される。これでアカウント作成は完了。

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・再度、http://rjdj.me/sharescene/ にアクセス
アカウント作成後、再度 http://rjdj.me/sharescene/ にアクセスすると、先ほどと違って今度はシーンアップロードのための画面が表示される。このフォームに必要な情報を入力して、rjdj.meのWEBサービスにシーンファイルをアップロードすることになる。

pd25.png

・必要項目を入力
まず、「Rjzfile」というところにアップロードするシーンファイルを指定する。フィールドの横にあるボタンをクリックして、先ほど用意したtest1.rjzを選択する。

「Name of your scene」には、シーンの名称を付ける。今回はテストのためのアップロードなので、「test1」としておく。ここにあまり長いものをつけると、ダウンロードの際のURLが長くなるのでなるべく簡潔に。なお、先ほどのアカウント作成の時と同様に、ここでも日本語の文字は使わず、すべて半角英数字で入力するように。

「Notes for people downloading this scene.」には、簡単にどういうシーンなのか記述する。今回はテストシーンなので「test scene using e_fbdelay」としてみた。くどいようだが、ここも半角英数字で入力するように。試しに日本語で記述してみたが、エラーになってアップロードができなかったので。

次の二つあるチェックボックスについて、最初のものは、アップロードするシーンを一般公開する際にチェックをつける。ここにチェックをつけると、RjDjチームの方でシーンのチェックが入り、問題がなければ、http://rjdj.me/music/ にあるような形で一般公開され、誰でもダウンロードができる状態になる。今回はあくまでもテスト用のアップロードなので、チェックは外す。

二つ目のチェックボックスは、アップロードしたシーンを有償ダウンロードにしたい場合にチェックをつける。ここにチェックをつけると、RjDjチームからメールでコンタクトがあり、販売するにあたっての手続きが進められることになる。今回はあくまでのテスト用のアップロードなので、チェックはつけない。

最後の「Notes for the RjDj team」は、RjDjチームへなにか連絡事項があれば記入する。今回は当然何もないので空欄のままでいい。

pd26.png

・アップロード
以上、用意ができたら最後に「upload」ボタンをクリックする。シーンファイルのサイズによって異なるが、多少時間がかかるので、途中で止めたりせずに少し待つ。うまくアップロードされると、以下のような画面が表示される。

pd27.png

ここで注意したいのが表示されているURL。今回は、「Name of your scene」に「test1」と入力したので、 URLが

http://rjdj.me/sharescene/test1/

というようになっている。シーンの名称に指定した文字列がそのままURLに反映されるため、スペースを入れたり、変な記号を使うことはさけた方が安全。ちなみに、自分の場合は、パッチ制作の時点で何回かアップロードし直す必要があったので、

http://rjdj.me/sharescene/test1-5/

というURLになってしまった...。test1の方をダウンロードすると激しくハウリングを起こすので使わない方がいい...。

さらに、このURL が実際のシーンのダウンロードの際に必要となる。今回の場合、シーンは一般公開されないため、このURLをどこかにコピーするかメモしておかないとわからなくなるので注意が必要。このURLをiPhone/iPod touchで読んでいるメールアドレスに送る、というのが最も簡単な方法かも。

以上で、rjdj.meのWEBサービスを使ったシーンファイルのアップロードが完了する。


8. 実機で確認

アップロードしたシーンを実際に実機で動かし動作するか確認してみる。先ほどのURLをiPhone/iPod touchのメールアドレスに送り、メッセージ内のURLをtapするか、Safariを起動してURLを入力してアクセスする。

IMG_0241.jpg

アクセスすると、installというボタンがあるので、これをtapする。

IMG_0242.jpg

すると、RjDjが起動してファイルのダウンロードが開始される。

IMG_0243.jpg

無事ダウンロードできると、Installed test1というメッセージが表示される。

IMG_0244.jpg

これで、シーンのインストールは完了。あとは、シーン一覧の中にあるtest1という項目をtapして実際にシーンを動かしてみる。

IMG_0248.jpg

さて、無事うまく動いているだろうか???

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